ブランド別 人気のバラ図鑑 決定版
想えば、僕がバラの仕事を始めた20数年前、
人気のバラと言えば、
ハイブリッドティでした。
漫画ベルサイユのバラに出てくるような、昔の高島屋さんの包み紙のような、
高貴で孤高な存在のバラ達でした。
それから、ガーデニングブームで、
オールドローズや
イングリッシュローズが人気となりました。
ちょうど梶みゆきさんの「バラの園を夢見て」が出版され、
ハイブリッドティのバラに小学生の頃から魅了されてきた僕は、
本当に失礼ですが、
最初は
ピエールドゥロンサールや
イヴピアジェ、
イングリッシュローズやオールドローズの良さがわかりませんでした。
たしか20代前半だったと思いますが、
まるで新しい感覚を受け入れる事が出来ない頑固な親父のような事を言っていた記憶があります。
「こんなんバラじゃない!」って
今となっては笑い話ですが、
そんな僕の頑固さを変えてくださったのが、
確実園本園の前野さん
僕の父親のようなご年齢なので、
きっと「こんなんバラじゃない!」って言って下さると思っていたのに、
「やわらかな雰囲気でかわいいよね~」
「ほんとうにきれいだよね~」 って…
あっ!前野さんが、この新しい美の感覚を受け入れているんだ。
俺もこんな頑固な感覚じゃだめだな!って、
それがなければ今の自分はいなかったでしょうね。
もしくはどこかで改心していたとしても、
ずっと後のことで、今同じような事を出来ていなかったと思います。
そして、
それから
ギヨーが出てきて、
デルバール、その他の海外ブランドがここ10年でずらっと!
バラの母なる国フランスで2番目のシェアがあるデルバールが、
まだ日本になかったのは不思議なことでしたが、10年前はマニアしかデルバールを知らなかった。
そして日本は、おそらく世界で一番欲しいバラが手に入る国になりました。
それと同時に、
河本純子さんのバラや河合さんの
禅ローズ、小山内さんがガーデン用に紹介している
F&Gローズ手前味噌ですが僕の
ロサオリエンティスなど、
日本のバラが活力を持って世に出てきました!
だから僕がバラに出会い、そして仕事についた頃のバラと、
今人気のバラ達は、ただ新品種が出ただけ増えたという時系列ではなく、
まったく別世界がここに出来上がってしまったというくらいの違いがあります。
なによりそのような世界観を作ってしまった本があります。
New Rosesです。
近年バラの世界を変えた出来事は2つあって、
「バラの園を夢見て」の出版前と出版後
そして「New Roses」の創刊前と創刊後です。
今、人気のブランドローズブームを牽引しているのは、
間違いなく「New Roses」です。
今回発売される
ブランド別 人気のバラ図鑑 決定版は、
そのNewRoses編集長玉置さんが中心となりコーディネートされて、
小山内さんや村上さん、松尾さん、佐々木さん、そして僕が品種説明を書きまとめられた本です。
ここ10年(もちろん、その前からの品種も載っていますが)の
バラの流行を総まとめしたようなブランドローズ図鑑となっていますので、
NewRosesをいつも読まれている方は、
その総集編として読んで頂けますと、きっと新たな発見と言いますか、
ブランドローズごとの楽しみ方や、育種家によるバラの個性が、
年ごとの「点」ではなく数年間の流れとして「線」として理解できますから、それが面白い!
今回僕は自分のロサオリエンティス、イングリッシュローズ、デルバール、
オラール、日本の個人育種家、河本バラ園のラマリエシリーズなどの品種説明を書かせて頂きました。
書く人によってバラの説明も個性が出るので、
ぜひそのあたりも確かめながら読んでみてください。
今の人気のバラを知るなら本当に決定版の本だと思います。
そしてバラの写真も綺麗なものがかなりありますので、
見ていて心がときめき癒されることと思います。
春にバラが咲き乱れる前に、
ぜひ手に取って読んで頂き、
バラシーズンの訪れを感じてくださいね。
当店でご購入の際に、備考欄にサイン希望とお書き添え頂ければ、
もちろん書かせて頂きます^^
After roses, everything.
Before roses, nothing.
Rose Creator 木村卓功
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