
トロイメライ Träumerei
ロサ オリエンティス バラがあることで、人生に彩を
―人に寄り添い生きて、思い出に残り続けるバラ―
何気ない毎日、日々の生活を送る中、
ふと玄関先やベランダ、そしてお庭でバラが咲く。
繊細で優美な表情と豊かな香りに、思わず惹かれドキッとする。
バラを見ると心がときめき、胸が躍る…
時には気分がすぐれない事も、落ち込む事もある日々だが、
バラが咲けばそんな気分はどこかに吹き飛び、心地よく穏やかな気持ちになれる。
あなたの生活に寄り添いながら、幸福感を届けてくれるバラがロサオリエンティスです。
「バラは美しく、心惹かれるものだけど、育てるのは難しい。」そんなイメージがありませんか?バラを植えてある公園などで、来場者の方々に耳を傾けていると、「バラは綺麗だけど育てるのは難しいわよね。こういう所で見るのが一番よ。」そんな会話を聞くことがあります。ところが近年のバラは、人々の環境・エコ意識への高まりから、パンジーなど普通の草花と同じように簡単に育つバラが登場し始めました。世界中のバラの育種家の努力によって、そんなバラが誕生したのです。紀元前、古代ギリシャ時代やローマ時代には、その華やかさと香りで、すでにバラは人々に愛されていましたが、新しいバラを意図的に作るというバラの育種は200年ほど前にヨーロッパで始まったと言われています。人類の200万年という歴史を考えると、ほんの少し前の出来事です。そして150年ほど前には半つる性で一季咲きが主だったバラは、中国にあった簡素な花をもつ四季咲きの木立バラを交配に使い、華やかで四季咲き、木立のバラになりました。バラに興味がある方の多くが知っている「ラ フランス」というバラです。明治維新前年の出来事です。次に100年ほど前にピンクや白、赤紫が主だったバラは、黄色の野生種を交配に使うことによって、花色が爆発的に増えました。今では信じられませんが、その当時のバラは地味な色が多かったのです。個人的にはこの瞬間が現代バラの誕生だと思っています。これらはフランスの偉大な育種家によって成し遂げられました。そして50年ほど前にイングリッシュローズを作ったデビッド・オースチンにより、ロゼット咲きやカップ咲きなど、花形の多様性によるバラの美しさが再発見されました。新たに生み出したと言うより、オールドローズにすでにあった花形を現代バラの良さを損なうことなく、表現したのです。このようにバラの歴史は50年ごとに大きな転換期を迎えてきました。そしてここから未来は、200年をかけて獲得した魅力的な花や性質をそのままに、野生バラ並みの強さや育てやすさが共存されていくのです。そんなバラの大転換期がこれからの10年です。現在のバラの愛好家の方々は「バラはこう変わっていったよ。」とバラの変化を伝えられる生き証人になるはずです。ですが、私は今までのバラを否定するつもりはありません。今までのバラがあったからこそ、今までのバラを愛してくださる方々がいたからこそ、未来が開けるのです。新しいバラの変化を楽しみながら、今までのバラもしっかりと末永く愛して欲しいものです。これから先のバラの大転換期には10年かかります。あせらずゆっくりとバラの進化を楽しんでください。私はみなさんにがっかりされないように、魅力的で健康的なバラをお届けできるように、バラの育種を頑張り続けます!
これからのロサイリエンティス
2019年春、ロサオリエンティス プログレッシオシリーズを発表しました。今までのロサオリエンティスの美しさ、耐暑耐湿性や低緯度での四季咲き性等を損なうことなく、耐病性を向上させ垂直展開させたのが、シャリマーとマイローズです。2020年、ここから先はシャリマー、マイローズからの水平展開が始まります。様々な花色、花形、樹形などを伴って美しくて強いバラが登場して行くと思います。

持続可能な地球を。
所説ありますが、世界的な都市化や近代的なライフスタイルの影響で植物が減り続け、地球温暖化や地球環境の悪化が深刻になりつつあります。中学生時代にそれらをテーマにした
「エントロピー」という本を読み、ずっと関心のある分野です。人が地球に住み続けられる持続可能な世界になるよう、微力ながら貢献したい。そう思い続けています。私に世界を変えるような大きな力はありません。でもバラの育種家なので、バラを進化させていくことはできます。自然に優しく、人がストレスなく愛せるバラを生み出せたなら、地球環境の維持にほんの少しは貢献できるのではないだろうか。近隣の宅地を見ると、庭を放置する方や、庭の手入れや草取りが大変だからと、コンクリートで埋め尽くす方が見うけられます。そういう方々が、庭に植えたいと思えるようなバラを生み出せば、焼け石に水かもしれないけど、少しは役に立てるかもしれない。そんな思いがロサリエンティス プログレッシオの隠れた誕生秘話です。家庭にバラを、地域に植物を、国に、地球に緑を増やしたい。小さな存在ですが、そう思いながら毎日バラと向かい合っています。
バラって最高!
Servant of the rose Goddess
ローズクリエイター 木村 卓功
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