うちの社長はロマンティックだから…
- 2019/03/28
- 19:36
.jpg)
Eisvogel
一昨年、ドイツに行った時の話です。
ドイツの主な育種会社はドイツ北部の港湾都市ハンブルクにあります。
皆さんが知っている、コルデスとタンタウはこの都市の北部側に位置します。
27年前、19歳の時に行った時にもビックリしましたが、
この2社の距離は本当に近くなんです。
徒歩でも通える距離、
車だと5分もかからないかもしれません。
(実際に何分かかったかは計っていませんが)
分社したとか、どちらかが独立したわけではないので、
世界に名だたる、大きなバラの育種会社がこんなに近くにあるなんて、
本当にバラに適した土地なのか、
はたまたバラの女神さまが、
バラの才能を同じ地に色濃く与えてしまったかのどちらかなのでしょう。
ただ、同じドイツのハンブルクという土地にありながら、
今現在、生み出すバラの特徴は少し違います。
コルデスはとにかく強健さ、耐病性!!!
バラの育種で大切なことは何ですか?と質問したら、
1に耐病性、2に耐病性、3に耐病性、4に耐病性、
5にやっと、花だと答えていましたもの(笑)
まあ質実剛健を地で行く、ドイツらしい会社です!
次にタンタウは、
耐病性の高い強健なバラも育種しますが、
ハイディクルムローズのような、
栽培面では繊細ながら、とても魅力的なバラも作出します。
悪く言うとコルデスほど耐病性にこだわりがない。
良く言うと、より多様なバラを生み出す力と柔軟性がある。
そんなイメージがあったので、
タンタウの育種のトップに質問しましたよ。
「タンタウは耐病性の良い品種を出したり、
耐病性は普通でも魅力的なバラをだしたりするけど、
一番作りたいバラはどういうバラなの?」って
育種の責任者はこう答えました。
「ヨーロッパのバラのトレンドを考えると、
間違いなく耐病性の強いバラをもっと作りたいんだけど…
うちの社長はロマンティックだから…」
意外とバラはそんな理由で発表されるものなのです(笑)
写真のバラはEisvogel
コルデスほどは強くないけど、
とてもとても魅力的なバラ。
日本では秋に伸びるので、
ローブアラフランセーズみたいにつるバラとすると良い品種です。
バラって最高!
Servant of the rose Goddess 木村 卓功
スポンサーサイト