フィオーラ僕の文章だけでは華やかじゃないし、色気がないので、
ここからはこの10年間で印象に残っているバラを紹介していきますね。
10年間でどれだけの新品種が出たかと言うと、
本当に数えきれないくらいですから、
これから紹介する品種は僕にとって本当に特別なバラ達になります。
バラの家楽天店出店時から取り扱っていたのは、
京成さんのバラとかノンパテントの定番品種、
そしてオールドローズにイングリッシュローズでした。
その頃はイングリッシュローズの全盛期でしたね!
イングリッシュローズと言えば何の品種でも売れた時代でして、
お客様は買ったはいいけど、秋に花が咲かないとか、
ハイブリッドティと比べて、色々とクレームも多かったことを思い出します。
その中でも僕は
ジュビリー セレブレーションは忘れられません。
最初から人気はありましたが、
お買い求めになった先で、他のイングリッシュローズより四季咲き続け、
日本の庭でも育てやすくコンパクト、香りがあり、色気のある花に咲く事によって、
どんどんと人気が増していったことを覚えています。
そしてロサオリエンティスのモデルといいますか、
日本で愛されるシュラブローズ、バラとはこういう方向性が良いのでは?
と、ロサオリの原点ともなったバラでもあります。
そんな感じで開店当初からイングリッシュローズが人気でしたが、
そのあとギヨーが人気のブランドとなりました。
一番インパクトがあったのは
ソニア リキエルもちろん美しく華やかでゴージャスなバラだったのですが、
それ以上に記憶にあるのが、ヤフオクなどオークションサイトでは
ひと鉢二万円を超える高値で取引されていたことです。
今ではまったく考えられませんけど、
異常な熱気があったことを覚えています。
またバラの交配では
ソン イデ ジャルダンが思い出深いです。
厳密にはギヨーの品種ではありませんが、
ゴールデン セレブレーションを使って、こういうの出していいんだと、
様々な世界の育種家の様々な育種方針にビックリしたものです。
ちょうどその頃、青バラもかなり人気で、ちょっとした青バラブームもあり、
小林さんの
青龍がテレビにでたりしましたが、
個人的には
ターン ブルーを見た時が一番忘れられません。
遺伝子組み換えでなく、今までの育種だけでこれだけの青バラを生み出せるのかと、
このバラの存在に畏怖の念を抱いたものです。
そして色と言えば河合さんの
ノワール。
ミニバラでこんなに深い黒赤を出せるんなんて凄いなと思いました。
それも日焼けしずらい良い弁質。
今では河合さんと親しくさせて頂いておりますが、
河合さんほどバラマニアは僕が知るかぎりいません!
本当にすごい方です。
そしてメイアン!
19歳の時に初めてフランスのメイアンの農場に行ってからのファンですが、
華やかで色気のあるバラを生み出す世界一のバラ育種家です。
ルージュ ピエール ドゥ ロンサールや
ミミ エデンが登場した時のインパクトは、
さすがメイアンだな~と思ったものです。
メイアンではありませんが、
ミミエデンと同じ切バラ系
アンティーク レースも一時凄い人気でした!
個人的には
ボッティチェリという日本未発売のメイアンの品種を
北海道で見つけた時に興奮したのを覚えています。
時代が変わってきたな?
それを実感したのがデルバールの登場からです!
フランス中部の乾いた、
決してバラ栽培に向いていると言えない土地でバラを育種しているため、
とにかく強く、そしてフランスのバラだから華やかもあり、
豊かな香りと、絞りの個性で、大きなインパクトと共に日本へとやってきました!
ナエマの強健さと可愛さ、香りの濃厚さにはノックダウンさせられましたし、
クロード モネの個性とキュートさ、そしてコンパクトで育てやすいところには、
育種家としての能力の高さが見えたものです。
日本のバラで一番ショックを受けて、
バラ育種、バラの美しさの感覚を広げてくれたのは
ガブリエル日本人がこの世に生み出したバラの中で一番美しいバラだと思っています。
あの神秘的な美とあの癒される香りには静寂が似合い、
まったく言葉がでないものです。
そして京成バラ園さんが育種されたバラでは
薫乃が私は一番好きです!
あの花付きかわいらしさと香りの三拍子そろったバラはそうありません。
かなり育てやすいですし、さすが武内さんと思います。
日本人のバラと言えば小山内さんがご紹介されている、
かおりかざり、
あおい、
いおりも、
もともと切バラだったとは思えないくらいにガーデンローズとしての総合点が高く、
小山内さんの目利き力があってそこの偉業だなと思います。
そして小山内さんは趣味の園芸で一年間レギュラーを努められ、
僕らの世代の先生では群を抜く人気があり、
そんな小山内さんに愛してもらえるようなバラをこれからも育種していこうと思います。
そしてバラの家が日本で最初に発売したブランドでは、
フランスはオラールの
フラム超濃厚なフルーツ香は、フランスの調香師たちの審査で、
もっとも香り高いバラという評価をもらったくらいです。
コンパクトに育ちますので鉢植えで玄関先で育て、
毎朝この香りをかいだら、本当に幸せな気持になります。
最後に僕の育種家としての方向性を決める影響を与えてくれたアンドレエヴ社の
ローズ ドゥ グランヴィル育ててみたら分かりますよ!
フランスで最も権威のあるバガテルのコンテストで金賞を受賞した実力が。
花は可愛らしく、そして樹は丈夫!いう事ありません。
アンドレエヴ社はフランスで数多くの品種を持っていますが、
これから先に日本で発表する品種は、とにかく丈夫で育てやすい品種だけを発表しようと考えています。
そう、薬剤散布をまったく必要としないバラだけをです!
それがアンドレエヴさんの思いに応える道だからと思うからです。
かなり駆け足になりましたが、
バラの家の10年を振り返って思い出に残るバラをお伝えしてきました。
そして、この10年は別の意味では、
僕がバラの育種家への階段を登る10年でもありました。
もちろん10代後半から育種はしていますが、
この10年のバラの時代の急激な変化を体感し、色んな意味で磨かれた10年間です。
僕にバラの育種の師匠はいません。
鈴木省三さんの本の巻末に載っていたバラの育種の方法を読み、
自分で見よう見まねでやってみたのが始まり…
その後海外に何度も見学に行って、海外の育種家に教わって、
独学で植物の育種の本を読んだり、玉置さんにブランディングを教わったり、
そんな感じでやってきました。
そこにこの10年の経験をプラスして、
とても難しい事ですが、、
ロサオリエンティスを世界に通用するバラのブランドにしたい野望を持っています。
まだ育種だけに専念できる時間は少ないのですが、
見たら、癒されて日々の活力になるようなバラを目標にして、
バラの育種をこれからも頑張り続けます。
そして、全国のバラの愛好家のみなさま、
ご協力いただいている取引先企業のみなさま、
働いてくださるスタッフのみなさま
みなさまのおかげでバラの家楽天店は10周年を迎えられました。
ここから先、さらにどんな時代が来るか分かりません。
どんな時代が来ようとも、僕が大切なバラを守り抜きます!
と書きたいところですが、ひとりでは何もできません。
ただの自己満足にしかなりません。
これまでの10年間と同じように、
これから先もバラの家楽天店をご愛顧頂けますととても嬉しいです。
そして一緒にバラを次世代へと受け継ぎ、バラを文化にしましょう!
10年間本当にありがとうございました。
バラって最高!
Rose Creator 木村卓功
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